2020
10.15

No.76/100【第3,690号】 《 情報系パッケージデザイン 〜 伝えたいのはイメージではなく「情報」です 〜》

伝える企画

幸いにして、今年は上陸する台風は少ない。まだ台風シーズンが続くが、このまま台風が来ないことを願うばかり。

さて、先日台風が接近した時、我が家で防災用品を確認した。すると、防災用としてストックしておいた「トイレットペーパー」がないことに気づいた。原因はすぐに判明した。妻が使ってしまったのだ。

よく「ローリングストックをするといい」と聞く。「ローリングストック」とは、備蓄した防災用品を定期的に消費し、使った(食べた)分だけ買い足していく方法。とても有効なやり方ではあるが、実際、マメな人でないとこの方法は続かない。いざという時に、「ない! 誰が使ったの!」と慌てるのがオチだ。

まぁ、我が家の夫婦喧嘩の火種についてはさておき、今回は「トイレットペーパー」のパッケージについて考えてみた。そうそう、マツキヨのトイレットペーパーのパッケージデザインをぜひネットで検索してご覧いただきたい。世界的デザイン賞で「5冠」を達成したらしい。こういう発想は大好き! 買って帰るのが楽しくなるよ。

《 情報系パッケージデザイン 〜 伝えたいのはイメージではなく「情報」です 〜》

トイレットペーパーのパッケージデザインに「防災情報」を掲載。

(1)停電した時の水洗トイレの対処方法
(2)家庭にある物で簡易ランタンの作り方
(3)浸水の恐れがある時の対処方法
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これらの情報をパッケージに細かく載せるのではなく、大胆に一面全部を使ってイラスト付きで大胆にプリントする。24本入りなら大きく4面使える。

このような防災情報を載せたパッケージのトイレットペーパーをトイレットペーパー売り場に一つは置きたい。すると、通常使うトイレットペーパーとは別にもう一つ「ついで」に購入する可能性がある。

さらに、防災情報をウェブサイトで公開している企業のURL(QRコード)をスポンサーとして掲載することで、通常使うトイレットペーパーより安価で提供するビジネスモデルも面白い。

いざとなればいくらでもスマホで検索して情報は探せますが、その時はじめて知る情報より以前から知っている情報の方が信頼でき、安心感がある。人は焦ると判断力が鈍るので、日頃からうるさくない程度の防災情報に接していた方がいい。

トイレットペーパーのパッケージだけでなく、備蓄した食料品にもそれぞれ有益な防災情報を載せておいたら、子供たちが知る機会も増える。また、「ついたべちゃった!」ということも減りそうだ。

最近は、箱なしティッシュペーパーもあるそうで、リビング用、ダイニングテーブル用、子供部屋用など、部屋ごとにデザイン(情報)が違うとユニークだ。バーベキュー用と極めてニッチなパッケージも目を引きそう。「屋外で注意する虫編」「火の起こし方編」

売り場に置いても、逆に目立って手に取る人が増えて売り上げがアップする可能性があるかも。

★儲ける脳トレ★
パッケージを見たら、だいたいどのジャンルの商品かわかりますよね。それは、作るメーカー側も買う消費者もイメージが固定しているから。逆にそのイメージを壊すデザインにしたら、売り場で目立ちそうです。もちろん、悪目立ちは小売店は嫌われますので、いい意味で想像を上回るデザインを考えてみましょう。昔「豆腐」でそんな商品がありましたね。

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