2013
09.13

第2516号「『買い物補助員』実は裏の顔は…」数字に表れない情報が大事

調べる企画

今、「ビッグデータ」と呼ばれる大規模なデータの収集やその解析が注目されていますが、それでも日常の行動の一部でしかありません。小売の現場では、売れたデータも大切ですが、「商品を手に取ったけど買わなかった理由」の方が知りたいと思います。

商品の魅力が伝わっていないのか、見難かったのか、価格が高かったのか、産地が気になったのか。中小店舗ではビッグデータの活用は現実的ではありません。そこで、こんなサービスを設けてみてはいかがでしょう。このサービスには、表の顔と裏の顔があります。

▼『「買い物補助員」実は裏の顔は…』

例えば、食品スーパー。店舗入口の買い物カゴ置き場で店員さんが数人立って、
お客様から声を掛けられるのを待ちます。お客様から「お願いします」と声を掛けられれば、お客様の後を買い物カートを押しながら付いていきます。そう、この店員さんは、「買い物補助員」です。

主に高齢者や赤ちゃんを連れたお母さん、大量に商品を買う方、お米など重い商品を買う方などの利用を想定します。※基本的には、誰でも利用可能です。

この「買い物補助員」は、基本的に商品のセールスはしません。聞かれたことはお答えしますが、お客様にそっと付き添って、お買い物のお手伝いをします。

しかし、この「買い物補助員」は表の顔で、実は裏の顔もあります。それが、「購買行動観察員」です。お客様の店内における購買行動を観察します。

◎お客様は最初にどの売り場に向かうのか?
◎どのように目を配りながら商品を手に取るのか?
◎手に取った商品で買わない商品はあったか?
◎キャンペーンPOPには目が行っているのか?
◎店内をどのルートで回るのか?
◎レジで待っている時は何をしているのか?

など。

「買い物補助員」はお手伝いが終わり、お客様を送り出した後、調査票に書き込みます。※書き込む場所はお客様に見えない店舗裏側です。書き込みが終わると、再び、店頭に立ち、お客様から声がかかるのを待ちます。このサービスのメリットは、お客様の満足度アップのほか、堂々とお客様の購買行動が観察できる点もあります。

また、この「買い物補助員」は、専任を設けるより、店員さんが当番制で誰もが担当した方がスタッフ教育にもなると思います。「買い物する側」の立場に立って、お店が見れるのですから。数字のデータには、お客様の本音は表れません。お客様に寄り添い、会話をし、心を通わせてこそ、見えてくると思います。

高額な調査費で外部機関にお願いするより、店員さんを2、3人「買い物補助員」用に増やす方が余程低コストでできます。

       ***企画の一番搾り***

   『 現場に出てお客様を観よう 』

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